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蒼汁五杯

蒼汁(元蜘蛛童の人)のエロ創作物置き場です。

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  • 12/05/19:43

■■■と蜘蛛童


土蜘蛛系×土蜘蛛の巫女は聖域!!
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第一章 ○○と操上惣江の事情

銀誓館学園…俺の通うこの学園は鎌倉中に小中高の纏まったキャンパスを持つマンモス校だ
小学校の頃から入学した俺は、今年からついに高校一年生になる
「それじゃあ父さん、先に行ってるよ。」
「あぁ、○○!ついでに帰り街でお使いしてきてくれー!!」
了解の意で手を上げながら靴ひもを締め、家から走り出す
入学から10年間通った学校でも、進学の際に別のキャンパスに飛ばされる事がある
幸い今年からは一縷樹キャンパス、一番家から近いキャンパスに通うことになる
学校へ向かうさなか、一人の少女と久しぶりに同じ道を歩いた
「…!○○じゃない!」
「操上、お前も一縷樹かぁ!」
操上惣江-くりかみそうえ-は、小6まで同じキャンパスに通っていた小学校時代の幼馴染だ
中学部に進級してキャンパスが変わってから3年間電話や年賀状くらいでしか交流のなかった幼馴染との再会だった
「背が伸びたねぇ、中学部はどうだった?」
久しぶりに会う操上の印象は活発な印象のあった小学校の頃とは違い
髪も短くなって、より活発な印象となっていた。
「どうでも、普通に何気ない中学生活だったよ。」
「まっさかぁ、もうちょっと青春したりいろいろ面白いことあったんでしょぉ?」
操上は深く追求しようとするが…
「常識で考えてみろよ、普通に暮らそうとしたらそんな青春真っ盛りどころか目立ったことなんてあるわけないだろ?」
俺がそう言い返した時、操上はこっちを見て何か反論を返そうとするが、言葉を詰まらせて辞めた
「常識か…そう、何もなかったんだ。
……良かった。」
あからさまに落ち込んだような幼馴染の反応に焦った俺は苦し紛れの返答を返す
「うん?え~…その、なんだ。
青春ってやっぱ高校からだろ?これから面白いことあるかに期待しとくよ、な?」
「ううん、やっぱ変な事は無い方がいいよ。私は、大変だったから…」
ここで俺はようやく思い出した、3年前の惨殺事件
被害者は操上の両親で、それ以降操上は学園の寮で一人バイトと奨学金で暮らしている事を
まさかここでその話題とつながるとは思わなかったというのは、今となっては言い訳にすぎないだろう
「…すまねぇ。」
そう言った俺の肩を、操上はバシッと叩いた
「いてぇ!!?」
「面白いこと一号!○○をからかえた!!」
そう言って駆け出した操上を、俺は叩かれた所をさすりながら茫然と眺めていた。

面白いことと変った事は、よくよく考えれば全く違う
普通のクラスメイトや友達が変わったことを遠ざけるように
その理由を、俺はある意味で知ることとなってしまった
それは俺が入学式の帰りに頼まれたものを買った後のことだった

「はぁ…はぁ…はぁ…」
俺はビルとビルの間をひたすらに走る
今となってはこの通路が常識によって築かれた砦のようにも見えた
しかし、俺を追いかける怪物は、常識…いや、現実に存在するどの生物にも
当てはまらない外見をしている
「ぁあん待ってぇ、私とひとつになりましょぉ!!」
そう人間の言葉、それも日本語で叫びながら追ってくる怪物
上半身はグラマーなヒトの女性、下半身は大蛇…
ファンタジーのRPGに登場する「ラミア」のようなその怪物は先程から執拗に
俺の後を追いかけるように這い寄ってくる
「ヒッ…ヒッ…!!!」
俺は息が切れて尚必死で走らざるを得ない、怪物の放つ危険な威圧感…
恐らくはこれを『殺気』と言うのだろう、日常生活において健全な生活を送ってさえいれば
まず感じる事も認知することもできないであろうそれを
俺はその怪物から鳥肌が立つほどに感じているからだ

俺の体力も限界に近づき、後ろを振り返ってみると
もう背後に怪物の姿はなかった
「はっ…は…助かった…?」
そう思って立ち止ったその時、両頬を以上に冷たい二つの手がなぞった
「つかまえたぁ…」
そう後ろから耳下へ囁いたのは怪物だった
恐らくは知らぬ間に追い越されたのだろう、撫でられた頬から、頭から、全身へと順に
血液の流れが緩くなっていくのが容易に感じられた
「かわいいぼうや、直ぐに食べるのは勿体ないわぁ…
でも持って帰る前に、小さく分けておかないとねぇ?」
怪物はそういうと異様に爪の伸びた人差し指を二の腕に宛がった
恐怖から目をそらす事も出来ない、目を閉じる事さえ…
二の腕に押し付けられた爪の感触が恐怖を更に増大させる
「きっと凄く痛いから、いい声で喘いてね…?」
そう言って怪物が腕に力を入れた時…
ドン!!という音と共に、腕が宙を舞った
俺のものではなく、俺の腕を斬り落そうとした怪物の腕が
「き…きぃやあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
先程までの理知的な女性のそれではなく、動物のような悲鳴を上げて俺を突き飛ばした怪物は
切り落とされた腕をわなわなと握り締める
「そこまでよ、ゴースト!!」
怪物の背後…向かっていた道の先に佇む人影から少女の声が聞こえる
見慣れた制服、かつて見慣れた顔
しかし今日の朝初めてこの姿を見た。
銀誓館学園の女子高校生制服を着た幼馴染の少女、操上惣江は
柄に蒸気を噴く機械の埋め込まれた長剣を怪物に構えて佇んでいた…。

「オマエ…何だそれは…?」
ほんの数秒前までとは違い、怪物は震える声で繰上の持つ長剣を指さした
剣の塚には、インドや中国の寺院の壁で回っているような『マニ車』
それを拳銃のシリンダーほどに小型化したような機械が埋め込まれている
「詠唱兵器、あなたみたいな悪霊を再殺する為の剣よ。」
繰上が怪物に向けるのは今朝俺に向けた暖かい笑顔とは違う、静かな憎しみを込めた氷のような瞳。
怪物は震え上がった後、長い髪を無数の蛇に変化させて繰上に襲いかかった。
繰上は怪物に立ち向かう形で駆け出し、怪物の髪…無数の蛇の内自分に向かうもののみを、剣を振るい精確に斬り裂いていき
やがて眼前に迫った怪物の胸に剣を突き立てた。
怪物は悲鳴をあげて全ての蛇に繰上の背を噛ませた。
貫かれた怪物の胸からドロリと溢れ出す黒い血とは違う
真っ赤で生命力に溢れたような血が繰上の背から吹き出した。
「……ッ!!」
「くりかっ…!!」
思わず手を延ばそうとするが、いつの間にかその場に座り込んでいた俺は腰に力が入らず立つことさえできない。
「……ヒッ…ヒッ…わかった、もうこの男に手は出さないわ
だから…ねぇ痛いでしょ?ここで見逃してくれない?」
怪物は明らかに致命的に見えるその傷でも生き残る気でいるのだろうか
繰上の耳元で誘惑するように話しかけた。
すると繰上もまた、怪物の耳元に唇を寄せ話しかける。
「貴女と同じ…リリスに似たような相談を持ちかけられた事があるわ」
痛みに息を荒くしている怪物に対して、背中中を蛇に噛まれている筈の繰上は異常な程落ち着いた声で話していた
しかし、俺には怪物の息がうるさくて繰上が次に何を言っているのかを聞き取ることが出来なかった
「________________。」

…いや、繰上はあえて俺に聞こえないように言ったのだろうか…

怪物はその顔を驚愕に醜く歪ませた
「黒影剣…」
繰上がそう呟くと、剣の塚のマニ車が蒸気を吹きながら高速で回転しだした。
すると剣の刀身から影のような黒いもやが溢れ
怪物の体内から肉を抉り混ぜるような音が鳴り
貫かれた胸と背の傷口から尋常じゃないほどの腐った血が流れ出る
怪物は潰れた蛙のような悲鳴をあげた
「生を妬み恨むゴースト…あなた達にこの世に存在する資格は無い!!」
繰上はそのまま怪物の胸から頭にかけて
怪物の体を粘土のように裂いて剣を振りあげた
「ぎゅぶ…!?」
余りに短い断末魔をあげて、怪物はその場に倒れた
「な、何なんだよ…何が…!?」
再び怪物を見ると怪物の体は指先から銀色の粒子となって崩れていった
繰上も怪物が崩れる様を見下ろし、緊張の糸が解れたかのように膝を落とした
「…ッ!!ハァ…ハァ…っ」
繰上の顔からは汗がドッと吹き出し
シャツごと喰い破られた皮膚から容赦無く責め立てる背中の痛みに
叫びたいのを必死で拒んでいる事が目に見えて判る
地面に突き立てた長剣に寄りかかり、俯いた顔から冷や汗を滴らせている
それほど繰上の姿は痛々しかった

本当に…これが小学生の頃一緒に遊んで
今朝の再会に無邪気な笑顔を見せた『あの』繰上惣江なのか…?

「何が…あったんだよ?」
俺の問いに繰上はビクリと動きを止めた
反人半蛇の怪物に怯むことなく
蛇に牙を突き立てられても表情を崩さなかった『この』繰上は
他でもない、知られることを恐れていたことに
俺は気付いていなかった
「この三年間で…一体、何があったんだよ…!?」
「…ハァ…ハァ……フゥ。」
繰上は暫く荒くしていた息を落ち着けると片手を中空にかざした
すると制服と長剣が銀色の粒子になって繰り上の体から離れる
すると元々着ていたかのように無傷の制服が銀色の粒子が流れる隙間から顔を出した
武器と傷ついた制服は繰上の手元に収束して一枚の板…いや、カードの形に落ち着いた
支えを失った繰上はドサリと地面に倒れる
「いたっ…ハハハ、張り切って勝ったのにこれじゃキまらないね。」
昔から変わらない子狸のような顔で緊張間のない笑みを浮かべながら
繰上は膝立ちの状態に起きあがった
俺は不思議とその笑顔に安心感を覚えたが
そんなことは構わずに繰上に向かって駆け出し、手を取った
「きまらないって…そんな問題じゃないだろう!!」
「きゃっ!?」
俺は繰上の傷を確認しようと制服の背を無理矢理持ち上げた
「傷は……!?」
しかし、繰上の背中には新しい傷など存在しなかった
あるのは引っかかれたような古くとも生々しい五本の傷跡
…よく見ると肩の方に噛まれたような跡もあったがこれも古い傷跡だった
「あの…恥ずかしいから、あんまり見ないで。」
「あっ…わ、わりぃ。」
「…怖い…よね。」
繰上は諦めたように、俺に語りかけてきた。
「あのゴースト…怪物も、戦ってた私のことも、今なら忘れられると思う
えっと、この世界はそういう風にできてるから
だから、私に構わず早く帰って。」
繰上は今だ冷や汗をかき、動けない様子だった
見えなくても確かに繰上は傷ついている、それは俺にも理解できた
だから俺は、繰上を背中に背負って歩きだした
「ひゃ…?」
「正直、あのバケモンは怖かったよ…でも繰上はあれから俺を護ったんだ
せめて病院に送るくらいさせろよ。
それで何があったかくらい話してくれよ。
辛いなら、せめて聞かなきゃ寝覚めが悪い。」
「助けたのは私なのに、そういう無駄に男気あるのは変わらないね。」
繰上は笑った、そして迷うように俯いた
「私、多分変わっちゃったよ?
私はもう、○○の知ってる私じゃないよ?
それでも、聞きたいの?」

▼聞きたい
 やっぱりいい

===============================================================================

▽やっぱりいい

俺は首を横にふった。
「いや、話したくなったらでいいよ。
知られたくないんだったら、俺にそれ以上聞く権利なんてない。」
「………そう。」
そう言って俯いた操上の声は、何故だか操上が俺に対して壁を作った事を宣言したように感じた
…いや、壁を作ったのは…俺だったのかもしれない

操上を病院に運んだ後、俺はその場で疲れて寝てしまったようだ
起きた時には家族が俺を迎えに来てくれていた
医者が言うには操上の体には何処にも異常がないから寮に帰したという

あの怪物に遭遇して以降、操上は病気で休んでいると先生は言っていた

俺自身、昨日のことのはずなのにもうあの事が夢だったのではないかと疑ってしまっっていた
2日後、操上が死んだ事を教室で話されるまでは…
死因は、未知の毒物による発狂死だったという
同キャンパス内で生徒の持ち物検査や事情聴取が行われたが、その毒物がどういうものかすら解らない
数日後には、俺を除くほぼ全員が操上の事を忘れてしまっていた
何故俺だけが忘れる事が出来なかったのか…そして忘れる事が出来ないのか…
俺は壊れた常識を持ったまま、高校生活を過ごしていった…

BAD END

================================================================================

▽聞きたい

「あぁ。」
俺は頷いた、もし本人が話したくなかったら…とも思ったが
最早俺には操上のことがどうしても放っておけなかったから
「…本当は一般人にこんな事話したら駄目なんだけど…」
操上は少し考えた後、俺に説明を始めた…
「3年前の惨殺事件、犯人は未だ逃亡してるってニュースではやってるけど
本当はもうこの世にはいないの…私が、その時に殺したの。」
背中で操上が語る真実、その内容と知ってはいけないような背徳からか
俺の心臓が痛みを訴えた、それでも聞くのも、歩くのもやめたりはしなかったが
操上が…犯人を殺した…
「初めて殺したの、ゴーストを。」
『ゴースト』…先の怪物を操上は当たり前のようにそう呼んでいた。
俺が退屈で安全な中学生活を送っている間、操上は当たり前のようにゴースト達と戦ってきたのだろうか
あんな怪物が、当たり前のように居る『世界』に・・・・・・
「私もその時ゴーストに騙されちゃってね、酷い傷を負わされちゃったから
さっきの私は、○○にとっても怖かったと思う…」
おぶさられている操上の手足が、ぎゅぅ…と俺の背を握った
操上は、震えていた
「大丈夫か…?」
「うん…これでも私、いわゆる超能力者だから、ちょっと寝れば治ると思う
病院はいいから、寮に連れて行ってほしいんだけど…」
超能力者…という部分が気になったが、俺は黙って操上の指示に従う事にした。

操上は、学園の寮へと俺を案内した
これで女子寮だったら俺だけ門前払いだっただろうが
操上が住んでいるのは男女共用の寮だった
チャイムを鳴らすと、金髪で背の低い女の子がドアを開けた
「お姉様お帰りぃ…誰ですかこの方は?」
怪訝な顔をして俺を見上げる金髪は俺が操上をおぶさっていると確認すると余計に怪訝な顔をした。
「イリア、ゴーストにちょっとやられちゃったから保険の先生呼んできてもらえるかな…?」
「はっ…はいっ!!」
イリアと呼ばれた少女はそのまま学園のキャンパスに向かって走っていった
ゴーストと言う単語に反応したという事は、彼女も超能力者なのだろうか…

「よっこら…しょ…っと。」
「んっ…ふぅ。」
二段ベッドの下の方に操上を寝かせる、うつ伏せに寝かせたのは怪我の事を考えての事だ
しかし、必然的に触ってしまった感触は結構大きいものだったという事を加えておこう
…しかしこうしてみると、女の子の部屋と言う感じがして俺には気まずい気がする
そう思っていると、ふと操上の息が荒い事に気がついた
「お、おい…大丈夫か?」
「へ…平気だってばっ…ぁ…はやく、帰って…。」
「…○○、私に何があったのか知りたいって言ったよね…」
そういう操上は、明らかに顔が赤くなっていて息も絶え絶えだった
「大丈夫な訳ないだろう!!まさか、あの蛇の毒で…!?」
「………ッ!!」
毒…という単語を聞いて、操上はビクリと震えた
「…○○…お願いがあるの…」
操上は息を荒くしながら、それでも決意したような声で俺に言った
「私を……抱いて……」

俺には一瞬、操上が何を言っているのか耳を疑ってしまった
「な…何を言ってるんだよ!!ふざけてる場合じゃ…」
「ふざけてなっ…い…!!」
何かに耐えるように操上は言った。
「リリスは…快楽に溺れた…まま、死んだ人の…成れの果てなの…
偶に…仲間を増やす為の媚毒を…持ってるのが居る…こんな遅効性なのは……ぁ…っ
…報告がなかった…油断して…た…っぅ…」
上気しながら途切れ途切れに話す操上は突然にブルッと震え、また息を切らし始めた
クチュリと粘り気のある水音が聞こえた…
「…そんな、どうすればいいんだよ…!!」
「きぃ…て…このままだと、私は…気が変になる…っ!!
はぁっ…ぅ…誰かに…抱かれるまで……」
操上は既に、我慢が利かなくなったのか手を股間に寄せようとしていた
あまりに常識離れした事態だが、操上の訴えは嘘とは思えなかった
この場には俺以外に誰もいない…じゃあ仮に居たとしたら、操上は助けを求めたのか?
「はや…くっ……○○っ…!!」
涙を流し訴える操上に、俺は覚悟を決めて応えた
「…っ…嘘だったら承知しないからな!!」

俺が急いで服を脱いでいる間、操上もまた自らを慰めながら服をベッドの上に脱ぎ散らかしていった
呆れるほどにムードも何も無い、それどころか自分にとっては初めての性行為だ
しかし、この状況ではそんな事は文句に出せる場合ではなかった
俺の頭の中は操上を助けたいという思いと、こんな形でも行為を行うという生理的な期待感の板挟みになっていた
俺が操上のベッドに上がる時には、操上は殆ど理性を失っていた
「あっ…は…ぁ!!…っ……は…」
必死に自らの秘所を慰めていたが、俺を確認すると操上は両手を俺の方に添えて引き寄せた
最早全身が痺れるように快楽を発しているのだろう、少し触れただけでも操上は腕をビクリと震わせた
俺は必死に頭の中からこう言うときどうすればいいかを考え始める
哀しいかな、中学時代にこっそり買った本の知識は自慢できないほど多かった
当然、初めての本番を迎えればそのような知識は殆ど意味を成さないことも理解しているつもりだ
特に、ここまで非常識な事態なら尚更のことだ…兎も角、俺は操上の唇に自らの唇を重ねる
「○○…んっ……むっ…ぷぁ…ふぅっ…ちゅ…」
初めてのディープキス、操上は必死に舌を絡ませてきた
こそばゆさと息苦しさ…そして互いの声が余計に互いを興奮させているのがわかる
媚毒に侵された操上ならば尚の事だ
「…ぷはっ……操上…」
「はぁ…ぁ…○○…きて…きてぇ…」
俺は言われるがまま操上を仰向けにして、期待にはち切れそうな怒張を
既に溢れた愛液で浸された操上の秘所に宛がった
「操上…入れるぞ……っ…!!」
ズプ…ミチュ…プププ……
「ふぁ!!ぁ…あぁああああっ!!」
俺が入れるのと同時に、操上は絶頂の叫びを上げ、俺の分身を強く締め上げてきた
「くぅっ…っ!!」
「あはっ…ぁ…○○…○○……っ…」
うわ言のよう操上は俺の名を呼んだ、挿れた膣内は柔らかくスムーズに俺を受け入れていった
その時俺は、操上があの傷と噛み跡を追った時に何があったのか…不思議と理解できた
操上は、その時恐らく…ゴースト(リリス)に犯されたのだ
小狸のようなあどけない顔は昔から殆ど変わらない、なのにその身体は、傷は、人生さえ…
「…っ…っく…ひっく…」
考えているうちに、いつの間にか俺は一時理性を取り戻した操上が泣いている事に気付いた
「○○……嫌いにならないで…私の事、嫌いにならないで…っ…」
両手で必死に涙をぬぐって操上はただひたすら願っていた
何もかも変ってしまった自分を、俺に…「嫌いにならないで」ほしいと…
「お願い…だから……っふあぁ!!!」
ドクン…と、操上は自らの体内の毒が再び暴れだしたのを感じ腰を弓なりに跳ねさせる
俺は操上が苦しまないようにゆっくり彼女を抱き、囁いた
「好きだ…操上…」
「………っ!!」
操上は目を見開いて、俺を見つめる
「…動くぞ?」
「…いいよ…○○……っ…」
操上は理性の残った笑みで、俺を受け入れた

「あっ…!!は…あんっ!!ひゃ…あぁ!!」
腰を振る度にぐにゅぐにゅと操上は俺を締め付けてきた
俺はペースも何も考えず唯必死に、操上に腰を打ちつけ続けることしかできない
しかし媚毒に侵された操上は刻一刻と昂って行った、それは俺も同じ
俺達は同じペースでこの行為の最後まで上り詰めていった
「操上…っ…もう限界…だ!!」
「いいよっ…!!○○っ…なら…っ…ぁ…はぁんっ!!ひぁ…あ、ああっ!!」
ドクンッ!!…ドクッ…ぐちゅ……
「ひあ…ああああぁぁぁっ!!!!」
「ぐぅっ…!!?」
自分の体が絶頂を迎え、操上の身体に大量の欲望を無造作に吐き出している
同時に達した操上が強く俺を締め上げ、俺は全身を搾り取られるような錯覚に陥った
「あ……あぁっ……」
「くり……か…み……」
俺達は同時に力尽き、深い眠りへと落ちて行った…


「…。……○、○○!」
「んぁ?…操上?」
気がついた時には既に朝だった、俺は寝ぼけたままゆっくりと起き上がって操上を見る。
顔に似合わない傷を負った豊満な身体をシーツで隠している操上はどこか卑猥で、そして美しかった。
「んー……おわぁ!!?」
そしてお互い裸である事に気付き、慌ててシーツで息子を隠す
―そうか、俺は昨夜操上と…―
そう考えると自然と耳が熱くなった、操上もまた顔を赤くしてシーツを深く被った
そんな操上を見ると、不思議と笑いがこみ上げてきた
「ぷっ…」「ふ…くすくす…」
俺達は二人してシーツをかぶり笑い合った、この光景もどこか面白いように思える
「あははっ…ははは…○○、昨日の事…覚えてる?」
笑って溢れ出した涙をぬぐい操上は俺に訪ねた
「…何だっけな…」
おれはわざと、思いだそうとするような動作をしてみる
予想道理、操上は残念そうにうつむいた、俺はその頭を軽く撫でてみる
「面白い事があった。」
そう言って笑顔を見せた俺を見て、操上は心から嬉しそうな笑みを俺に向けた

これを切っ掛けに、俺はこれから操上の居る非常識の世界に足を踏み入れる事になる
だが、不思議と不安はない
操上惣江という一人の強くて弱い能力者の救いになれるなら、やっていける
常識と非常識の交わる不安定な世界で、それだけは確信できた。

第一章・○○と操上惣江の事情 了

■成虫期



今思えば、土蜘蛛戦争は銀誓館学園の歴史の中において最も悲劇と言える事件だったと思う。
現代についての知識、見えざる狂気・来訪者の存在、様々な無知が重なり合って…
私(著者側)から見れば、その戦争が最も激化し土蜘蛛に対する怒りが最も膨れ上がった原因は
おそらく学園で最初の戦死者が出てから、能力者側から見て彼等が最たる脅威になってしまったことだろう。
そしてその戦争は、その間に双方多大な犠牲を払いつつも…皮肉にも土蜘蛛の女王の戦士によって幕を閉じるのである。

しかし、それだけ。
実際に土蜘蛛の生き残りの多くは学園に投降し、彼らもまた…重症者であることもあってそれに乗じただろう。
この戦争は原因が原因なだけに学園の『主演の方々』には多大な知識と教訓を与え
その結果は後の人狼と吸血鬼達の起こす事件に大いに役立ち、犠牲を払い過ぎることなく事を進めることができた。
恐らくは近年の東北の土蜘蛛事件においても、彼等は犠牲を払い過ぎることはないだろうと…私は信じている。


半年の後…銀誓館学園学生寮。
授業と、『能力者』としての戦いを終え…疲れたように彼は部屋の戸を叩いた。
戸を開いたのは、一足先に帰っていた少女…まだうまく動かない足と松葉杖で駆け寄り
ずっと待っていたのだろう、満面の笑顔で戸を開けた。
「…ただいま。」
「おかえりなさいっ。」

夕食を食べながら、学園と仕事であった事を報告する。
それはこの学生寮に来てから今まで続いてきた日課だった。
巫女はあの戦争で能力こそ失わなかったものの脊椎に損傷が残り、松葉杖か車椅子が無ければ通学すらできない状況だった。
当然夏休みの間は絶対安静の状態…彼は、戦争を生き残った土蜘蛛の義務である集中講義に出席を義務付けられていたし
講義が終わった後も、彼は仕事に行けたが…巫女は能力をほぼ封印され、一般人同様の生活…
夕食の連絡が定着することにさして時間はかからなかった。
「あの時の…魔剣士のお兄さんが?」
「あぁ、結社に入らないかって勧誘してくれた。」
あの戦争は、集中講義が終わった後も…土蜘蛛達にはいささか不便な状況が続いてた。
味方になったばかり…それも半年前まで命を奪いあう敵同士だったのだ。
土蜘蛛や巫女が、来訪者専用だったり…来訪者と人間の共存を目的とした結社を設立してやっと他人とのコミュニティが成立していく中
彼のように誰かから勧誘を受けて能力者の結社に入団することは極めて珍しかった。
「そっか…あの人、優しい人ね…」
そう言って、巫女は少し寂しそうな影を見せた。
肉体年齢がどうであれ、自分にとって息子であり恋人同然である蜘蛛童が、(といっても今は土蜘蛛で、名前もあるのだが)
この新しい生活に馴染んでいき、共に狂気の世界から抜け出していくことは非常に嬉しい。
でも、その分彼の帰りは遅くなる事は少しだけ寂しかった…
「…■■■。」

ぺろっ

「…え、んひゃぅっ?」
「米粒付いてる顔でそんな顔されても…な?」
巫女は表情を読まれていたことに気付いていなかったようで、顔を赤らめて俯く。
そこで巫女は気付いた、彼の舐めている所にはもう既に米粒は残っていないという事に。
「…んっ…は…やっ…」
しびれて動きづらい下半身を動かして、ささやかな抵抗をするが…彼は巫女の手を掴んで抵抗を拒む。
「…解っている、■■■は口がいいんだな?」
彼の黙然としたハスキーな声が巫女の耳元で発され、巫女は一瞬思考が緩む。
その隙を彼は逃さなかった。

くちゅ…

「は…んっ…んふ…んーっ…」
くちゅ…にゅるっ…ちゅ…ちゅっ…
彼の舌は蜘蛛童だったころに比べて多少おとなしくなったものの、今はその技術が卓越したものとなっていた。
舌を絡ませ、互いの甘い体液を交換し合い、敏感な口膣をなぶり、快感を与える。
やがて二人の唇が離れた時、綺麗な銀色の糸が橋となって…滴る。
「ぷぁ…あ…はぁ…ねぇ……ここじゃ…いや。」


彼は巫女をお姫様のように抱きかかえて、寝室へ歩む。
そこには彼女達が愛を育むベッド…もとい、巣が張られていた。
巣の真ん中に彼女を寝かせ、優しく衣服を脱がせていく。
ボディスーツやセーターか何かしら長袖の服…それでも暑ければ包帯で覆い隠されているが
彼女の白い肌には、生々しい傷跡が幾つも残されていた。
「…ねぇ、寂しいよ…」
その最中、巫女は彼にその心中を告げた。
「…寂しくはさせない。」
彼はそう言って、巫女の口に再び濡れた舌を挿れた。

「ん…くぁ…はっ…あ…あぁっ…」
屈強な見かけよりも遥かに彼の優しい愛撫は、蜘蛛童だったころから相変わらず。
ただ巫女の体のあちこちに残った傷は敏感で、彼はそれを癒そうとするように彼女の白と茶の肌を舐め回す。

やがて…巫女は自ら巣の上を這い、彼の茎を握り口を寄せる。
「…?なんだそれは?」
「えへへ~、こうすると気持ちいいって…書いてあったんだ。」
巣の下にある、彼女のベッド…その枕から少しだけ顔を覗かせる雑誌に気付き、彼はため息をついた。
…どうやって買ったんだろうか…それはささやかな疑問。
「ん…ちゅ…じゅる…んくっ…んふ…」
「…くっ…うぉ…っ」
喉に達する遺物感に、眼尻に涙を浮かべるが…巫女は懸命に彼の茎をしゃぶり
射精を促すように舌を絡ませる…流石の彼もこれは刺激がつよかったらしく、暫し耐えるように歯を食いしばる。
しかし、彼を癒す事が生き甲斐である彼女はそれを許そうとしない。
少しだけ、震える彼を面白そうに観察した後再び彼の茎を舐め回す。
「…っく…あ…射るっ!!」
「……っぐ…ん…くぅ…ふ…コクっ…コクっ」
喉の奥に当たる暑い粘液で嗚咽するが、巫女は彼の放つものを一滴もこぼそうとしない。
それどころか、もっと出ないのかと催促するように吸い出そうとするが…完全に吸い出しきった事を確認すると
茎を開放してプハと新鮮な空気を補給する。
口の端から滴る白濁液を掬い取り、巫女はぼぉとそれを眺める。
「はふ…これが…せーえき…」
この時点では既に…巫女も彼も、それが何の意味を成すかは理解していた。
これは、人と人との子を成す行為だと…。
それ故に彼は集中講義以降は自重して…いつも外に出すかコンドームを使用していた。
それが人として当たり前の行為だと…しかし、幼い巫女が彼の精液を眺めるその光景は余りにも卑猥で…

…でもそれ以上に…彼女は愛おしかった。

彼は、思わず巫女を抱きしめていた。
「俺は…お前の心を少しづつ喰らって生きてきた…俺は…お前と同じ存在なんだ…
お前が悲しければ俺も悲しいし、お前が怒れば俺も怒る…それに…お前が寂しければ、俺も寂しい…
寂しくなんかさせるわけ…ないだろう?」
顔を見せずに、震えながらひしと抱きつく彼に身を委ねながら…巫女は感じた…
あぁ…やっぱりこの子も私も…最初の夜から何も変わっていない…
「わかってる…わかってるよ…あなたは私の可愛い蜘蛛童…いつでも私はあなたにだけわらべうたを歌います。
この身体も…心も…感覚でさえ…あなたに捧げます……いつまでも、私達は一つです…。」
その手は優しく彼の身体を抱きよせて…彼もまた、巫女の器にその身を委ねる…
彼はいつも彼女に癒され…彼女もまた彼に癒される…
それを人は愛と呼ぶ…それを彼等は感じあっている…それは脚色でも何でもない…
純粋な愛を求めあう彼らの姿は、最も完成された土蜘蛛と巫女の関係そのものなのだ…
「…挿れるぞ」
「…うん…来て…」

ツプ…クチュ…

「ふぁ…あっ…はああぁぁっ!」
肉を割り、彼の体が自分の身体の中に挿ってくるのがわかる。
快感を逃がさないように目をつむり、身体を震わせて…ぐちゅり…ぐちゅりと彼の体を受け入れていく…
そして、彼の総てを受け入れきった体制のまま…彼等は愛を交わす。
「愛してる…」
「大好きっ…」
互いが腰を動かし、互いの一部を絡ませ合っていく。
巫女は幼い四肢を必死に蜘蛛の巣に絡ませて、彼の愛を逃がさないように…絡めて、絡めて、昂っていく…
「あっ…うんっ…ふぁ…ああぁっ…にゃ…あぁっ…」

ジュプ…グチュ…ニチャ…ズプッ…

「…っは…あ…来て…一緒に…きてぇ…」
「……あぁっ!!」

にゅぶっ…グチュッ!!ニジュッ!!ブチュ!!パツン!!パツン!!

「あはぁっ!!は…あぐっ!!ひんっ!!んあっ!!あっ!!きゃ…ああっ!!!」
力強く答えた彼は、より動きを激しくして…彼女の快感を昂らせる。
そして…自らも…
「うぐっ…く…出る…射るぞ!!」
「来てっ!!っあ!!はっ!!きっ…きてぇっ!!!」

ぐちゃっ!!ジュブッ!!ニジャッ!!グチュゥッ!!ドクンッ!!

「あっ…ひああああぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
「…っ…うおおぉっ!!」

グチュルッ…ドクッ…ドクッ…

「…はぁ…っ…あ…はぁ…はぁ…あはっ…大好きだよ…私の…蜘蛛童…」

彼の性が膣内を染めていくのがわかる…巫女はそれがたまらなくうれしくて…
自らの性が彼女を染めていくのがわかる…彼はそんな彼女がたまらなく愛おしくて…

二人は、いつまでも…一つになっていた…。


~~~~~~~~~~~あとがき~~~~~~~~~~~~~~

実際、PCでこんな土蜘蛛♂×巫女♀のカップルって見ない気がするのが残念
たいてい蜘蛛童×巫女なのでこんな話考えてみました。
実際、私のメインPCも土蜘蛛♀なのですが巫女を喪ってトラウマ持ってるんで
そんなカップル成立させる度胸がありません。(私でなくPCのほうに
できれば、この話に触発されてそんなカップルが増えるといいな~とささやかに期待してます。

■変態期

ずちゅ…にちゅ…びちゃ…ぐちゅ…

「ふぁ…はっ…あ…んん…」
あれから、巫女は蜘蛛童と毎晩のように交わり続けた。
所詮は女王の為に捧げる為の性、子供ができることもなく…
そもそも、蜘蛛童にも巫女本人にもその知識は皆無だった。
幼い二人にとってそれは繋がりを表す儀式でありそれ以上のものとは思いもしていなかった。
「あっ…また…くる…ふぁっ…ああぁっ…!!!」

ドクッ!!ブジュ…ビュッ!!ビチャァッ…


「ねぇ…蜘蛛童…これ…もう皆に知られちゃってるみたい…。」
大人たちの内にもそれに気付いている者はいた。
いたが、所詮出来損ない共の汚れた戯れだと眼中にも留めていなかった。
「やっぱり、私達は出来損ないなんだね…だから皆私達に構ってくれないんだよね…。」
…だが、巫女の目には見えていた。
蜘蛛童の背中に、うっすらと光る文様が…
身体を捧げている巫女にはわかっていたのだ、自分の大切なものを糧に
蜘蛛童が少しづつ成長してきている事が…
「おおきくなぁれ…立派になぁれ…」

蔵を二分する蜘蛛の巣の中央で、蜘蛛童の巨体を抱きながら
その大きな背中をさする巫女の姿はどこか神秘性を持ち、蜘蛛童はその胸にもたれかかるように
ゆっくりと安堵の鳴き声を漏らす。

そして4月1日…『土蜘蛛戦争』の日は訪れた。
村八分されているとはいえ、組織の一員である巫女は巫女服を整え
戦いに赴こうとしていた。
「■■■…近う寄れ…。」
「はい。」
鎮座する土蜘蛛の巫女たちの一団から、その巫女がすっと首格たる数人の老人に寄る。
「戦況は劣悪、直ぐにでも銀誓館学園を名乗る蛮族共はこの屋敷へと汚れた足を踏み入れるだろう。」
突然知らされた悪報に、巫女は眉を微かに動かす。
下衆の笑みを浮かべて、細身の老人は巫女に言った
「…時に■■■、貴様…毎晩出来損ないの蜘蛛童の巣くう蔵に忍び入り…その身を捧げていたようではないか。」
「……っ!!!」
知られているのはわかっていた、だが突然今になってその禁忌を取り上げられて
巫女は背筋を強張らせた…その老人の笑みはあまりにもげせていて…冷たかったから。
「女王様に捧げられるべき蜘蛛童の性を…それも出来損ないの性を毎晩のようにその身に受けて悦んでいるとは…」
「おぉ…おぉ…童共々汚らわしいにも程がある。」
老人共の罵倒に、巫女は肩を震わせる。
自分の事はどうでも良い…しかし蜘蛛童のことをこれ以上貶されることが我慢できなかった。
巫女は声を震わせて老人に問う。
「…そのような…汚らわしき私に…何を命じられるのですか…」
その言葉を聞いた中央の老人が、傍らの中年巫女に目を向けると
次々と巫女を取り押さえて動けなくする。
「なに…貴様にはもう一度、出来損ないに身体を捧げて貰うだけだよ。」
「ただし、蔵の あれ だけではなく…出来損ないの蜘蛛童全てにだ。」
「蛮族共は人を襲う蜘蛛童を絶対の悪だと信じ込んでおる、だが女王様の恩恵で蜘蛛童は出来損ないを含めて無尽蔵に生まれ出る。」
「■■■…貴様には我等が逃げる間蛮族共を引き寄せる餌となってもらう。」

成程、銀誓館学園は一枚岩ではないとはいえ現代における正義を掲げている組織だ。
土蜘蛛の巫女とはいえ、小学生の少女が無尽蔵とも言える『邪悪な妖獣』に喰われかけているとすれば放って置く筈がない。
しかし…しかしそれでは蔵に居る可愛いあの童はどうなる!?
彼等は目もくれずに『邪悪な妖獣』として無残にあの子を殺してしまうだろう
巫女にはそれが許せなかった…あの童には、まだ可能性があるのだ!
出来損ないの自分を置いて行ってでも、大きく立派に成長する可能性が…あの童にはまだあるのだ!!!
幾本もの腕で…長く美しい黒髪を千切れそうな程に掴まれ、組み伏せられていた巫女は
誰かの膝で圧迫された肺を懸命に動かし、老人勢に哀願した。
「ぐっ…お願いです!!…あの子は…蔵のあの童だけは助けて下さい!!!
…っぐ…私は…土蜘蛛様の繁栄の為に…この身を…捧げます…ぅぇ…」
幼い身体には到底耐えられない圧迫感で薄れ行く意識の中…
頷く老人の顔を見て…巫女は意識を手放した。

…やがて眼を覚ますと、広い空の下で巫女は一糸纏わぬ姿のまま高い柱に貼り付けられていた。
あぁ…周囲には腹を減らした蜘蛛童達…あの子のように誰かを愛する事を、知らない童たち…
彼等が餌を目の前にした仔犬のように背の届かない柱を必死によじ登ろうとする様を見て
このような絶望的な状況でも、巫女はただ周囲の童達を哀れに思った。
既に柱の支えは破壊されていて、今にも倒れぬかとしていた。
巫女は悔やんだ…この童達を救う術は何もないこと…
もう、あの子には会えないこと…

柱は倒れた。

一斉に、蜘蛛童達は荒波のように巫女に覆い被さった。
その場で潰れなかったのは幸か不幸か…
休みなくその身を切り裂く牙・牙・牙・牙・牙・牙・牙牙牙牙牙牙牙牙牙牙牙牙。
「あぐっ…ああぁっ…ぎっ…きゃああああぁあぁああああっ!!!」
絶望的な痛みに耐えきれず、巫女は悲鳴を上げた。
空腹に理性を失った蜘蛛童達に肉を削がれ、血を啜られ…それは何の感情も許さない

      絶望        。

しかし、永遠に続くかと思われた絶望の渦の中
蜘蛛童の一体が両断され、一人の魔剣士の青年が巫女の身体を波の中から引きずり出した。
「おい、おい!!!しっかりしろ!!!!!
畜生っ…あいつら…非道ぇことしやがる…そんなに我が身大事なのかよ!!!」
血に塗れ、肌が見えないほどの傷を負った巫女のその眼は既に光を映していない。
ただ「ぁー…ぅー…」と、唸っているだけだ。
しかし、まだ蜘蛛童達は巫女の肉を求めて怒涛の波のように襲いかかる。
「くそっ…ゴースト共が!!!」
自慢の得物を巧みに動かし、魔剣士は蜘蛛童の攻撃を巫女から逸らす。
しかし、急いで一足先に来た魔剣士の背後に援護は無い。
その状態でその猛攻を受けきることはできなかった。
一際鋭く、長い牙が力なく項垂れた巫女の頭に襲いかかる…!!!

・・・・・・グチャアッ!!!

バキッ…グチャ…

その時、魔剣士は信じられないものを見るような眼でそれを見ていた。
一体の蜘蛛童が、襲いかかって来た蜘蛛童の頭部を噛み砕いていた。
共食い?…しかしその蜘蛛童からも巫女は十分狙える位置にあった。
飢えた蜘蛛童が真っ先に狙うのは、軟らかく喰らい易い肉を持つ人間の筈だ…
それは、確実に巫女を護っての行動だった。

しかし、魔剣士はそれ以上その思考に集中できない。
一瞬の間をおいて、再び莫大な量の蜘蛛童が襲い掛かってきたからである。
「…くも…わらし…?」
頭を力なく垂らしながら、巫女が力なく言った。
「…きみ…な…の…?」
自分を抱えながら激しく動く魔剣士の腕の中、巫女は幽かな視界で確かにそれを見た。
黒い絶望の波の中、自分を求めて駆けてくる赤い光の紋様…
そう、それは確実に蔵の中でお互いの愛を確かめ合った彼の蜘蛛童だった。
あの時老人たちは嘘をついたのだ…所詮出来損ないの哀願で出来損ないを連れていくものかと
しかし、巫女にはそのようなことはどうでもよかった。
幽かに見える赤い光を頼りに、巫女は魔剣士の手を振りきった。
「くも…わらし…っ」
後ろで魔剣士の叫び声が聞こえる…
「蜘蛛童…っ!」
絶望の渦が全力で自分に襲い掛かる…
「蜘蛛…っ!!!」
その時…巫女の背中に赤い筋が一つ、そして…膨大な量の出血。
音を感じない世界で、巫女は蜘蛛童に手を伸ばし続けた…

誰かが、その手を掴んだ。


前述したように、蜘蛛童は妖獣に分類されるゴーストである。
果たして、ゴーストが人間をはじめとして…何かを捕食したとして科学的な栄養がゴーストの糧となるか?
答えは否、その場に留まる残留思念から生まれゴーストは人を襲うことで残留思念を捕食する。
残留思念とは、もののつまりあらゆる物が残す強い感情だと定義されるだろう。
あらゆる能力者が、初めは自分の強い意志から詠唱兵器を生み出すように。
そう、蜘蛛童はいつも巫女の純粋かつ強い愛情に包まれて育った。
故に…奇跡と虚飾されるであろうこの現象は、起こりえてもおかしくない必然だった。

蜘蛛童の一群が、彼等の使う糸より粘性の高い糸の束に包まれた。
そうしてできた『団子』を突き破って異形の腕が現れ、ひと思いに『団子』を両断した。
その腕の持ち主は、黒い長髪に頑丈な体格…誰が見ても立派な蜘蛛童の成虫。
もう片方の人の腕で優しく巫女を包んだ土蜘蛛の男性だった。
蜘蛛童の大群はそれに構うことなく彼と巫女に襲い掛かる。
しかし、蜘蛛童達の攻撃は全て長剣に逸らされる。
「屋敷の反対方向に、回復班が居る!!走れぇ!!」
それは魔剣士の言葉、魔剣士は敵を味方の陣に招くことを選んだ。
彼は頷き、巫女を抱えて全力で走った。


それは覚醒前の幽かな記憶、出来損ないと追いやられた自分を唯一見てくれた存在
本能のままに暴れた自らの欲望を受け入れ、癒してくれた愛しい人。
自分を救い、自分を受け入れてくれた愛する者を助ける為に
その土蜘蛛は走った、能力者に攻撃を受けようと異形の腕で巫女を庇い
激戦の流れ弾からは身を呈して巫女を護った。

・・・・・・そして・・・

■幼虫期

それは土蜘蛛戦争が勃発する前のこと、奈良県のとある場所にて
「ん…く、ぷぁ…ふ…」
蔵の中に、淫らな水音が響く、その音を発しているのは巨大な蜘蛛の妖獣『蜘蛛童』
それと巫女装束をはだけさせた少女だった。


見えざる狂気に侵された大人たちの中で、この蔵だけが彼女たちの世界。
狂った人間の中で育った彼女たちは、大人の目を掻い潜ってはここで二人だけの時間を過ごした。

はじめは、成長期なのに栄養も取れてない…進化してもできそこないとなる事が確定した蜘蛛童が
土蜘蛛の組織の中で身分の低い自分の家に押し付けられたこと
そして、狂気に侵されていない少女の言うことを…蜘蛛童はまるでもう自意識があるかのように聞いてくれたこと
蔵の中で巫女が今日あった出来事を話し、蜘蛛童がそれを聞いてくれる…
それだけの些細な時間だった。

しかしやがて、蜘蛛童がおかしな行動を取り始めた。
「蜘蛛童~、ごはんのじかんだよ~。」
もちろん、ゴーストに分類される蜘蛛童に料理された食べ物など何の意味も成さない。
ただ、話を聞いてもらう代わりにと巫女が自分の食事の一部をこっそりと蜘蛛童に与えているだけだった。
しかし、その日は何かが違っていた。
「あれぇ、どうしたの?そんな端っこに籠っちゃって…」

ここで、土蜘蛛についてささやかな疑問を考えてみよう。
蜘蛛童から進化した土蜘蛛は、ヒト科の人間と子を成す事が出来るか
答えはYes、人間から生まれた土蜘蛛の子孫が土蜘蛛として覚醒する事例も確かに確認されている。
ならば何故、土蜘蛛の女王は蜘蛛童の子を産み…土蜘蛛たちもまた女王を守るのか
ここで考えられる仮説としては、そもそも蜘蛛童自体が土蜘蛛の眷属であり
一種の保護生物だからではないだろうか。
そう考えれば、蜘蛛童 と の子を成せる存在は貴重なはずである。
女王がいるのならば、必要性として蜘蛛童に雌は存在しない事になる。
すなわち、進化後の性別は別としても蜘蛛童には雄しか存在しないと…仮説が立つ。

ドスッ

突然跳びかかった蜘蛛童に巫女は押し倒された。
「きゃ…っ!!」
見た目よりは軽いものの、突然の圧迫感に巫女は悲鳴をあげた。
「な…何をするの…んぐっ!?」
抗議しようとした巫女の口元に、ゾワゾワした何かが押し付けられる。
蜘蛛童の歯の隙間にあるそれは…虫と同じ、水分を吸収する為の器官。
しかし蜘蛛童のサイズまで拡大され、湿り気をおったそれは人間の舌に相当する器官へと進化していた。
抗議しようとしたのが失敗だった。
細く長い舌が容赦なく口内に入り込み、口を押し広げ口内をより高密度に蹂躙していく。
「んんっ…~~~!!!」
鼻でしか息ができない息苦しさと、口内をジュグリジュグリとこすられるこそばゆさで
完全にパニックに陥った巫女は、必死に足をバタつかせるが
蜘蛛童の長く、太い足がガッチリと身体を掴み離さない。
むしろ服がはだけてより扇情的な姿となった巫女に興奮したのか
蜘蛛童は行為を次のステップへと移行させた。

巫女の身体を固定している足を二本離し、口先から出した糸の端をその足で起用にすくい取る。
そして巫女の露出した背中に一本、二本と貼り付けていく。
最初は死に物狂いで抵抗していた巫女だが、次第に落ち着きを取り戻していく。
(あぁ、私…この子に食べられちゃうのかなぁ…)
それでも良いような気がしてきた…
不思議な力を持つ自分を学校の全員が淘汰するようにいじめてきた。
いうことを聞かない自分を周囲の大人たちが淘汰するように村八分にしてきた。
蜘蛛童だけが、唯一自分を受け入れてくれた…その蜘蛛童と一つになれるならそれ以上に喜ばしい事はなかった。

巫女が気が付けば、自分を中心に蔵全体を割るような平面な蜘蛛の巣が張られていた。
その蜘蛛の巣を揺らしながら、蜘蛛童は巫女の元へと登ってくる。
まるで淑女をエスコートする紳士のように…
ここまで来ると、巫女には蜘蛛童が何をしようとしているのがが理解できなかった。
ただ、少女は土蜘蛛の癒し手たる巫女の本能か…蜘蛛童に対して、こう言った。
「…私の身体を…貴方に捧げます…。」


「ぬぅ?…●●●はどこへ行った?」

「そのような事…お爺様が気になさる程の事でもありませぬ…」

「さよう…出来損ないの娘はその辺りで出来損ないの蜘蛛童に喰われておる方が

土蜘蛛様の繁栄に役立てるというもの…」


ピチャ…ピチャ…
「ふぁ…はっ…あ…ぁあっ…」
首筋に…胸に…臍に…秘所に…
幾本もの舌が身体を這う感触に不快感を感じなくなる程…
むしろ求めるようなその仕草に愛おしさを感じる程…
蜘蛛童の愛撫は続いた。
やがて、巫女は蜘蛛童の身体に異変を感じ取る。
蜘蛛童の太い尾から…黒く脈打つ何かがせり出していたのだ。
雌の器に受け入れられるべきそれを出しながらも蜘蛛童は巫女に愛撫を続けていた。
巫女はいつの間にか自由になっていた両の手を広げ、優しく蜘蛛童を抱きしめる。
準備はとうに整っていた、蜘蛛童も迷っていたのかもしれない…。
あるはずのない…あるべきではない筈の…
それでもいつからか芽生えていた彼女たちの間の『背徳』に
そして土蜘蛛の巫女は迷える子蜘蛛を誘い入れる…
「…いいよ…私は貴方が大好きだから…」
ゆっくりと蜘蛛童のそれに腰を下ろしていく
破瓜の痛みに顔をしかめるが、行為は止まらない。

…グチュリ…

「…っ…あぁ!!」
やがて巫女が蜘蛛童の愛を完全に受け入れた時、流れ出た鮮血が別れ互いの肌を伝った。
そして蜘蛛童はゆっくりと尾を振った。
「い…っ…ひぎっ…うぁ…」
まだ痛みは引いていない…しかし痛みを受ける事に二人は慣れ過ぎてしまっていた。
「きゃ…あっ…ふぁ…あぁっ…はあぁっ…」
やがて痛みは引いていき純粋な快楽を求めて二人は交わり続けた。
それは果たして純粋な愛か…狂気の中で生まれた更なる狂気か…
少なくとも、絶大な快楽を伴うその行為に没頭し続ける二人にそれを知る余裕など無かった。
そしてその行為にも…終わりの時がやってくる…。

グチュ…ズリュッ!!パツン!!!パツン!!!!

「あぐっ…ひあ!あっ!!やっ!!はっや…あぁっ!!」
蜘蛛童の尾がより激しく揺すられ、巫女は強制的に昇り詰められていく。
同時に脊椎反射で絞められる胎内が蜘蛛童をも昂らせていった。
「はぐっ…ぐぅっ…来て…来て下さいっ…あぁっ…ああああぁぁっ!!!!」
巫女の体が弓なりにのけぞり…絶頂を迎える。
そして蜘蛛童も、人としての愛を受け入れる筈の場所におびただしい量の子種を流し込む

ドクッ…グビュッ…ブシュ…ビュルッ…

そして…『異物』が体内から溢れ出る感覚を感じながら巫女は意識を失った。
この行為に、果して何の意味があるだろうか…
種として宿命づけられた主従の契か、欲望と狂気に塗れた外道の儀式か
それとも、二人の愛をこの場に具体化した儀式とでもいうのだろうか?
人もまたしかり、後に何も成さぬこの行為を飾ろうとすることこそ
愚かしい行為なのかもしれない…。

それは、ある二人の弱者の…ある夜に起きた出来事でしかなかった。
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